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ナットランナーとは?特徴・仕組みについて解説

ナットランナーは、ボルトやナットの締めの工程で用いられる工具です。製鉄所や化学プラント、発電所、大型車両、重機械、造船所、鉄塔建設など様々な現場で使われています。

この記事では、ナットランナーがどのような工具なのか理解を深められるように、特徴やタイプ別に仕組みを解説します。また、ナットランナーを使用する際の注意点もご紹介しているので、導入やレンタルをする前にぜひ参考にしてください。

ナットランナーとは?

ナットランナーとは、電動でボルトやナットの締結作業ができる工具です。電動トルクレンチとも呼ばれています。遊星歯車でモーター動力を高トルクの回転力に変え、短時間でボルトやナットの締め付けや緩める作業を完了させることが可能です。

インパクトドライバーと違って、打撃構造を用いていません。そのため、低騒音かつ低振動でトルク作業ができます。夜間や住宅街での作業も安心して使えます。

また、事前に指定したトルク値に制御して締結することも可能です。そのため、常にバラつきが少なく高精度な締め付けを実現できます。

ナットランナーは作業性にも優れています。作業者の技術レベルや個人差の影響を受けず、高度なトルク作業を実現できるのも大きなメリットです。

ナットランナーは誰でも簡単に適正なトルク作業が行える便利な工具ですが、産業向けの工具となっています。そのため、ホームセンターや工具専門店ではなかなか扱われていません。

購入する場合は、大型ネット通販や商社経由が一般的です。また、産業向けの機器や工具を取り扱う業者でレンタルも行われています。

ナットランナーのタイプ別仕組み

ナットランナーには、ストレート(インライン)・ピストル・アングル・フィクスチャーの4種類が存在します。その中でもスタンダードなタイプが、ストレート(インライン)とピストルの2種です。ここからは、ストレートとピストルそれぞれの特徴・仕組みをご紹介します。

ストレート(インライン)タイプ
先端からソケット(ビット)部分、モーター軸、グリップが一直線になっている構造をしています。主に7N.m以下の低トルク帯で使用されるタイプです。トルテックでは3N.mから600N.mまで取り扱っております。

ピストルタイプ
ピストルのような形状をしたナットランナーです。グリップについたトリガーを人差し指で引くと、先端のソケット(ビット)部が回転する仕組みとなっています。トルテックで取り扱うピストルタイプは、3N.mの低価格帯から600N.m前後の高トルク帯まで、幅広いラインナップを揃えております。

実際にナットランナーを選ぶ際は、作業に使用するナットやボルト、必要なトルク範囲を確認しておくことが重要です。メーカーや機種によってオプション機能は大きく異なります。しかし、オプション機能よりも用途や目的に合うものを優先的に選出していくことが特に大事です。

ナットランナーを使用する際の注意点

ネジ締め作業に便利なナットランナーを使用するにあたり、気を付けたいことがあります。その注意点は次の2つです。

1.反力受けが必要
反力とは、作用荷重に耐えるために支点に生じる力のことです。ボルトやナットを締める時、作業者に対して工具全体が大きく逆回転する反力がかかってしまい、手首や体を痛める可能性があります。安全に使うためには、ナットランナーを使う作業者は、周囲の他のボルト、突起、くぼみを活用して、反力を受け止めなければなりません。

ナットランナーには、インパクトドライバーの打撃構造やシャーレンチのトルシア形高力ボルトによる固定といった反力を受け止めてくれる部品が備わっていないため、その力を受け止めるための反力受けという部品が必要となります。

2.増し締めは不可能
ボルトやナットの締結では、増し締め(2度締め)が必要になることもあります。増し締めは、締結されたボルトやナットをさらに締めることです。

例えば、自動車のタイヤ交換では走行中にボルトが折れて、タイヤが脱輪するのを防ぐために増し締めでしっかり固定しなければなりません。また、挟み込んでいる部材によって設定軸力を得られない場合にも、増し締めが必要になることがあります。

しかし、ナットランナーはボルトやナットの増し締めはできないので注意してください。これは、出力トルクを制御するアルゴリズムの影響で、作業開始から一定時間の出力は無視されてしまうためです。増し締めをする際は、一度ボルトやナットを緩めた状態で締め直すようにしてください。

まとめ

ナットランナーは、高精度なネジ締め作業を実現し、また工程の効率を高めてくれる便利な電動工具です。ストレートやピストルなど色々種類がありますが、使用するボルトやナット、トルク範囲、使用する目的に合わせて選ぶことが大事です。

ナットランナーを必要な時に使いたいのであれば、レンタルがおすすめです。トルテックでは、alkitronic社製やAcraDyne社製のナットランナーを豊富なバリエーションで用意しており、最短4日~レンタルできます。おすすめの製品のご提案や指導員付きでレンタルすることも可能なので、まずは一度ご相談ください。