改めて知りたい「トルク管理」とは?
油圧トルクレンチやナットランナーなど、ボルトやナットの締付を行う電動工具では、トルク管理を正しく行うことが極めて重要です。そこで今回は、トルク管理の特徴や管理方法を詳しく解説するとともに、なぜ重要なのかについてもご紹介します。トルク管理の重要性を再確認するためにも、ぜひ最後までご覧ください。
トルク管理とは?
トルク管理とは具体的にどういったものを指しているのでしょうか?
まずはトルク管理の特徴や管理方法について、詳しく解説していきましょう。
トルク管理の特徴
トルク値を管理し、適切な力で締め付けられるようにすることを「トルク管理」と言います。多くの現場で使用されているボルトやナットですが、正常にトルク管理が行われていないと振動でボルトが緩んでしまい、部品が外れる恐れがあります。
反対に、必要以上の力で締め付けされているとボルトそのものだけでなく、取り付けられている部品まで破損する恐れがあります。そのような事態を避けるために、各ボルトには締め付けトルクが指定されており、トルクレンチなど工具を使って正確にトルク管理を行うことが求められています。
トルク管理方法の種類
トルク管理には、トルク法・回転角法・トルクこう配法の3種類があります。ここではそれぞれの管理方法の特徴をご紹介します。
■トルク法
トルク法は一般的に広く採用されているトルク管理の方法で、締め付けトルクと締め付け力との線形関係を利用しています。締め付け作業時に締め付けトルクのみを管理するため、簡単に行えるのがメリットですが、軸力にばらつきが生じます。
■回転角法
ボルトの着座前は締め付けトルクで、着座後はボルトを回した角度で管理する方法を回転角法と言います。軸力のばらつきを抑えられるのがメリットですが、ボルトを再利用する際には気を付ける必要があります。
■トルクこう配法
トルク曲線のこう配を利用する方法で、軸力のばらつきが小さいのがメリットですが、トルクこう配法に必要な測定器が高価な点がデメリットと言えるでしょう。
トルク管理はなぜ重要なのか?
トルク値をきちんと管理せず、強すぎる力で締め付けを行うと、ボルトやナットに亀裂や破損が生じる恐れがあります。反対に弱すぎるとしっかり締め付けできず緩みの原因となり危険です。
さらに、締め付ける力は材質の堅さによって最適なトルク値が違うため、扱う素材に合わせて調節する必要があります。製品の品質や安全を守るためにも、適切な力で締め付け作業ができるようトルク管理を行うことは非常に重要です。
ボルト締結の仕組み
ボルトを締め付けると、引っ張り方向の力が加わるため伸びます。すると伸びたボルトには元に戻ろうという力が働きます。まるで強力なバネのように元に戻ろうとする力を利用し、締め付けるのです。
きちんとボルトが締まっている状態は、引っ張られて伸びようとする力と元に戻ろうとする力の均衡が取れており、バランスの良い状態です。しかし、ボルトの締め付けが弱いと振動などの影響によってこの均衡が崩れてしまうため緩みが生じます。
反対に締め付けが強すぎると締め付けられた部品などが破損するため、安全のためにもトルク管理は大切です。
ボルトの締め付け過ぎで起こり得る問題点
締め付けられて伸びていたボルトは、緩めることで元の形に戻ります。しかし、締め付ける力がある時点を超えてしまうと、ボルトは元の形に戻れなくなるのです。それでも締め付けると最終的にねじ切れます。
ボルトが緩まないように強い力で締め付けることは大切ですが、だからといって限界を超えてしまうと元の形にも戻らなくなるため、再利用もできません。そうならないためにもボルトは適切な範囲内で締め付けることが大切なのです。
トルク管理に活用する油圧トルクレンチ・電動トルクレンチ
油圧トルクレンチは、油圧の力を使ってピストンを動かすことで、ボルトやナットを回転させ、締めたり緩めたりできる工具です。一方電動トルクレンチは、動力電源を使用することで安定したトルク精度を実現できる工具になります。
どちらも手動に比べて精度の高い締め付けが可能であるため、正確なトルク管理におすすめです。トルテックでは、油圧トルクレンチと電動トルクレンチをはじめ、ボルト締結に関する製品を幅広く取り扱っています。
まとめ
今回は、トルク管理の特徴や種類をはじめ、重要性について詳しく解説してきました。精度の高いトルク管理は、製品の品質はもちろん締め付け作業を安全に行うためにも非常に重要です。
油圧トルクレンチや電動トルクレンチを活用しながら、安定したトルク管理を行いましょう。トルテックでは、油圧トルクレンチや電動トルクレンチを取り扱っており、レンタルも行っています。
レンタルならメンテナンス管理もすべてトルテックで行っているため、面倒な管理業務やコストの削減に最適です。短期間の使用や購入前のお試しにもおすすめですので、油圧トルクレンチや電動トルクレンチの使用を検討中の方は、ぜひトルテックへご相談ください。