電動トルクレンチの選び方を解説！適したアイテムを選ぼう

車両整備や工事現場などでよく目にする電動トルクレンチですが、実際にどのようなものを選べば良いかわからないという人も多いはずです。使用用途に適さないトルクレンチを選んでしまった場合、思わぬ事故につながる可能性もあるため、注意しなければいけません。そこで今回は、電動トルクレンチの選び方についてご紹介します。

電動トルクレンチの選び方

電動トルクレンチは、ボルトやナットを締める際、手動よりも簡単に大きなトルクをかけることが可能です。安全かつ適切な作業ができるよう、ここでは電動トルクレンチの選び方についてご紹介します。

使用するボルト・ナットに合うものを選ぶ

まずは、使用するボルト・ナットを確認しましょう。電動トルクレンチはどれも同じ形状というわけではないため、使用するボルト・ナットに合わせて適切なものを選ぶ必要があります。先端にソケットを装着するタイプのものや、ヘッドの形状に違いがあるものなど、様々なので、事前に確認しておくことが欠かせません。

トルクレンチの先端部分にはサイズがあり、主なサイズは9.5や19.0です。細いもので6.35、太いもので25.4となっています。サイズが適切ではない場合、ボルト・ナットを締めることはできないため、注意しなければいけません。

また、ヘッドにはラチェットヘッド・モンキータイプ・パナタイプなど、様々な形状があります。ヘッド交換タイプのトルクレンチは、ヘッドを換えることによって1本で全てのボルト・ナットに対応できるようになります。

トルク範囲をチェックする

作業する際に必要なトルク範囲をチェックすることも忘れてはいけません。トルク範囲とは、工具でボルト・ナットを締めたり、緩めたりする際の回転力を表す単位であるトルク値の範囲を示したものです。トルク値は「長さ×力」で求められます。

電動トルクレンチを選ぶ際は、締め付けに必要な値以上であれば良いというわけではありません。例えば、50N.mのトルク値が必要だった場合、最大締め付け能力が50～55N.mと、同じ数値のトルクレンチを選ぶのはNGです。数値が同じまたは近いと壊れやすくなるため、最大締め付け能力の70～80％となるトルクレンチを選ぶのが望ましいです。

精度の高さや性能で選ぶ

最近では、精度の高い電動トルクレンチも続々と登場しています。特に、トランスデューサー内蔵ナットランナー構造のトルクレンチは、トルク測定精度が高くなると言われています。

トランスデューサー内蔵の測定器がボルト・ナットを締め付ける際、軸にかかるトルクのピーク値を計測することによって、精度をより高めることが可能になります。あらかじめ設定しておいたトルク値を再現できるのは、トランスデューサー内蔵ナットランナー構造ならではの強みです。

また、作業効率が飛躍的に向上するほか、無線で制御・データ収集ができる電動トルクレンチにも注目が集まっています。電動トルクレンチは狭い場所でも精度の高い測定ができるため、従来のトルクレンチよりも正確なトルク値を再現することが可能です。

トルクレンチの扱いに慣れていない人でも簡単に取り扱えるのが大きなメリットとなっています。電動トルクレンチは精密機器であるため、測定精度にこだわって選ぶことが大切です。

トルテックが取り扱う電動トルクレンチの種類

次に、トルテックで取り扱っている電動トルクレンチのシリーズをご紹介します。

■EC-S/EC-Aシリーズ

75Nm-6530Nmのトルクに対応しています。優れた精度を誇るシリーズであり、EC-Aモデルは限られた空間でも使用できるローハイト設計を施したアングル型ツールです。

■Eシリーズ（2スピードタイプ）

200Nm-10,000Nmのトルクに対応している2スピードタイプのトルクレンチです。大型の高荷重ボルト締めができ、回転方向・速度の切り替えの速さが特徴です。

■EFシリーズ（EF-S/EF-A）

EF-S：430-42,000Nmのトルクに対応。安定したトルク精度を実現しています。
EF-A：430-9,800Nmのトルクに対応。狭い場所でも精度の高い測定が可能です。

■STRYK　SRシリーズ

SR-500/1000/2000/3000/6000と5つのモデルが展開されています。精密角度制御エンコーダーが装備されていることにより、115Vまたは230Vでの運転が可能です。硬質合金鋼を使用し高耐力・長寿命を実現した電動トルクレンチです。

■AcraDyne1000シリーズ

サイズの最小化＆高速化を実現した使用効率の向上を図ることができるトルクレンチです。アングル、インライン、プッシュスタート、フィクスチャータイプがあります。

■AcraDyneピストルグリップナットランナー1000/2000/5000シリーズ

ケーブルを接続する部分が上部・後部・底部とあります。このシリーズでは、ボトムエグジット、リアエグジット、トップエグジットと、3つのモデルが展開されています。

■アングルナットランナー2000/3000/5000シリーズ

アングルナットランナーは、インラインやピストルタイプでは実用的でない限られた空間での締付け作業に有効です。携帯式で、高精度な締付け作業を行うのに最も優れたタイプのナットランナーです。

■インラインナットランナー2000/3000/5000シリーズ

コンパクトなボディと耐久性により固定された締付けのアプリケーションに最適です。簡単に取り付けることができ、安全も確保されたナットランナーです。

■フィクスチャーナットランナー5000シリーズ

5つのモデルが展開されるナットランナーです。この他にも様々な用途に対応したナットランナーをご用意しております。

まとめ

今回は、電動トルクレンチの選び方についてご紹介しました。精度の高い測定ができる電動トルクレンチであれば、扱いに慣れていない初心者でも安心です。使用するボルト・ナットに適したトルクレンチを選び、安全に作業を行うようにしましょう。

現在、トルテックでは様々なメーカー・シリーズの電動トルクレンチを取り扱っています。お客様のご要望に沿った電動トルクレンチをご提案いたしますので、レンタル・購入をご検討の際はお気軽にご相談ください。